【レポート】新しい医療・介護の形をつくるには?|遠距離介護支援協会・9月定例会

毎月第3月曜日は「遠距離介護の日」と勝手に決めて行っている、遠距離介護支援協会の定例会。4連休中日の21日夜、青森、東京、滋賀、鳥取、広島、福岡から、看護師、ケアマネージャー、介護士、一般企業に務める遠距離介護に関心のある人…と多様な12名が参加してくれました。敬老の日であるこの日は、

[この日の流れ]
・オープニング
・インプットトーク①「遠距離介護の最前線!」
・インプットトーク②「協会会員さんのプレゼンテーション」
・感想共有&各テーマに分かれたグループトーク
・クロージング

として、会員さんからは「在宅透析×遠距離介護」について話題提供いただきました。

コロナの影響で、ガラス越しの面会に。

冒頭は自己紹介も兼ねて『最近の遠距離介護にまつわる話』の共有から。

「敬老の日なので祖母へプレゼントを渡しに行ったのですが、ガラス越しの面会でした」

「実家からは「帰ってくるな」と言われていて、“介護や看護の話しをしたい”と思いつつも、話すに話せない状況が続いています。」

と、気軽に家族と会えない状況や、保険適用外サービスを提供する広島の看護師からは、

「広島ではまだまだ珍しいサービス。はじめのうちは、病院付き添いをしてもドクターから空気のように扱われていました。けれど、利用者さんの情報を取りまとめてサマリーを渡すようにすると、私へも説明をしてくれるようになり、ようやく市民権を得られた気持ちです」

との共有には、拍手👏が集まりました。

家族の介護。元気なうちこそ“人生会議”を。

続いて、『わたしの看護婦さん』を運営する神戸から『遠距離介護の最前線』として最近の実践から話題提供を行いました。

「“人生会議”って少し流行りましたよね。今までは遠距離介護をする県外の家族も一緒に病院へ付き添い、病状の説明を受け、治療方針を考えることが出来ました。でも今は、新型コロナウィルスの影響で、県外在住者は病院への付き添いを断るケースもあります。

例えば認知症の方へ癌の告知をする瞬間。治療の選択がすぐできないため病院から一度帰って、子どもに会おうと思っても、施設へ入居していると気軽に家族とも会えない、とても大変な状況の方もいらっしゃいます。」

「だからこそ、元気なうち、認知症にかかる前から、家族と人生会議をすることが大切なんです。万が一のとき、どのような治療を受けたいか。一人で暮らせなくなったら施設へ入るか、ヘルパーへお願いするか。元気なうちに、どのように暮らし生きたいか、人生会議の機会を持つことは大切だとつくづく感じます。」

遠距離介護をする方にとって、家族と気軽に会えない状況が続いている今、「元気なうちに介護の話をする」必要性について紹介しました。

「こうしたい」介護・看護を形にするには?

続いて、青森県で活動する中野さんより、「在宅血液透析」について話題提供いただきまいた。

透析患者数が増え続ける一方、地方では特に透析施設が少なく、治療のために他県まで移動せざるを得ないケースや高齢になるにつれ通院が困難になる状況があります。そこで「在宅血液透析」の必要性や普及に向けて考えている活動について、紹介いただきました。

質疑では「透析や在宅透析」について詳しく聞きたい!という質問が殺到。医療福祉関係者みなさんの学習意欲の高さを実感する時間になりました。

その後は、

1. これから何をする?向かい先への課題は何?
2. 遠距離介護のもやもやを話したい!

のテーマに分かれ、各自の考えを交わすグループトーク。短い時間

“やりたいことを続けよう!やりたいな!という熱意は惹かれるますし、聞いている側が元気になります”

“利用者さんと接していると「こうなったらいいな。こうできたらいいな」と思うことがたくさんある。でも規制や時間の制約でできることも限られるので、“もやもや”を解消するには、起業するしかないのかも…とも思いました”

といった感想が寄せられました。

 

今後も各地の実践紹介やテーマを深めていく定例会を開催していきます◎次回は10月19日(月)21時から開催です。

10月19日(月)21時〜「(仮)ケアマネさんとの協働について」

未来の介護、遠距離介護をつくっていく活動に関心をお持ちの方、ぜひ遠距離介護支援協会に登録の上、LINEオープンチャットへご参加ください!

会員登録

また、9月24日にはとなりのかいご代表の川内さんをお招きし「コロナ禍でも、遠距離介護をあきらめない方法」を開催します。遠距離介護を行うご家族や介護医療従事者の方、たくさんのご参加をお待ちしています。

詳しくはこちら:https://watakan0924.peatix.com/view