遠距離介護の家族を救え!コロナ禍における遠距離介護の実践|1月定例会レポート

毎月第3月曜日は『遠距離介護を考える日』。2021年最初の月定例会は、「遠距離介護の家族を救え!」をテーマに、協会代表のかんべたかこから『介護を贈るお歳暮 見守りサービス』についての話題提供。そして後半は、全国の協会会員さんと情報交換を行いました。その様子をレポートします。

[この日の流れ]
・オープニング
・インプットトーク「介護を贈るお歳暮 見守りサービス」
・会員さん同士の情報交換
・クロージング

人がつなぐ、リモート面会の機会

まずは、『わたしの看護婦さん』を運営する神戸から最近の『遠距離介護の事情』について話題提供。

かんべ:新型コロナウイルス感染症によって、遠距離介護の世界は大きく変わりました。遠くの家族にあいたくても会いに行けない。家族の介護のために帰省したいけど、帰省できない。そんな声を受けて、昨年末から介護を贈るお歳暮「わたしのお歳暮」をはじめました。

遠距離介護をする家族に代わって、ご家族の見守りやビデオ通話を介した会話サポートを行うサービスです。

かんべ:自分で電話操作ができればいいのですが、認知症や身体機能が低下していればそれさえも難しいことがあって、1年以上も家族と話しをまともにしていない、という人もいらっしゃいます。

施設入居していても、在宅でも、県外の子どもたちと面会ができない。電話すらも難しいのであれば、私たち看護師、介護士がタブレットを持ち込んで、県外の子どもたちとつながることが、リモート面会の機会を作ればいいんじゃないか?と思ったんですね。

新型コロナウイルス感染症は、遠距離介護にも大きく影響を与えています。2020年末の「帰省しない」と考えている人の割合は約6割もいらっしゃいました。(2020年11月ネオマーケティング社の調査より)

「会えない」のは、ただ寂しいばかりではありません。家族との接点をはじめ、社会的交流の減少は介護度の進展のリスクにもなり得るんですね。

新型コロナウイルス感染症の影響により、『介護サービスの利用控えをしているケースは?』について、7割以上の方が『いる』と回答。また関わっている要介護者の心身の機能低下が『ある』と答えた方は、6割以上いらっしゃいます。

リモート会議、リモートワーク、オンライン飲み会…。昨年より急速にリモートによる活動は広まりましたが、ただ高齢者が相手となれば事情が変わってきます。

かんべ:高齢者の方も耳が遠くなると通話が聞き取りづらくなって、子どもたちに電話をしたがらない人もいます。自宅や施設内でも自由にWi-Fiが使えない環境や、そもそもスマホ、ガラケーすら持っていないケースもあります。

新型コロナウイルス感染症が広がる前は、子どもたちが1週間ほど滞在をして子どもたちが教え込むことができましたけど、そばに教える人がいないと使うことが難しいんですね。

そのような問題意識から、介護を贈るお歳暮サービスをスタート。新聞全国版などメディアにも取り上げられ、社会的な関心の高さも感じているそうです。

帰省ができない困難な状況のご家族を支えることで『現役世代が希望を持って介護に向き合える状態をつくりたい』、と締めくくりました。

その後は、

“ケアマネさんとよりよく連携するには?”
“介護休暇を取りたくても取れない人の支えになれるんじゃないか?”
“保険外サービスの存在を知ってもらうために、いかにメディアを味方にしていく?”

など、遠距離介護の家族を支えるための意見交換が行われました。

各地からの実践紹介やテーマを深めていく定例会。次回は2月15日(月)21時〜開催です。未来の介護、遠距離介護をつくっていく活動に関心をお持ちの方、ぜひ遠距離介護支援協会に登録の上、LINEオープンチャットへご参加ください!

遠距離介護支援協会の登録はこちら→
https://www.enkyori-kaigo.org/membership-join/membership-registration/

わたしの看護婦さん
https://my-nurse.jp/