高齢者の疾患
血液透析
◼️末期腎不全の治療法として血液透析療法が選択されます。機械に血液を通し、血液中の老廃物や不要な水分を除去し、血液をきれいにする方法です。
◼️一般的な血液透析の場合、1週間に2~3回程度、およそ半日をかけて血液を浄化します。
◼️血液透析を続けていると高血圧、低血圧、貧血、感染症などの合併症が起こることもあります。頭痛、イライラ、吐気、不眠、動機、冷や汗などの症状が現れることがあります。
◼️透析治療に必要な医療費は、1か月あたり外来血液透析では約40万円と言われていますが、経済的な負担が軽減されるよう、医療費の公的助成制度を利用します。
◼️透析療法の導入が決まったら、行政の障害福祉担当窓口で身体障害者手帳の交付申請を行います。 透析患者は主に1級に認定されます。
問題1.血液透析を受ける利用者の日常生活において、適切ではないものはどれか。
- 高カリウム血症を防ぐために、果物、ドライフルーツ、生野菜、芋類、肉類に多く含まれているので避ける。
- 塩分を摂りすぎると、むくみ・高血圧を起こしやすく、心臓への負担が大きくなる。
- 透析日はシャントの針跡からの細菌侵入を防ぐため、浴槽での入浴は避け、シャワー浴にとどめる。
- シャント側の腕も健側の腕も日常生活に支障なく生活することが可能である。
高カリウム血症を防ぐために、果物、ドライフルーツ、生野菜、芋類、肉類に多く含まれているので避ける。
- [解説]
- 高カリウム血症を防ぐために、野菜は水にさらしたりゆでこぼしたりすることで、カリウム量を減少させることができます。
塩分を摂りすぎると、むくみ・高血圧を起こしやすく、心臓への負担が大きくなる。
- [解説]
- 塩分摂取により口渇感を誘発するため、水分摂取量が増え、体重コントロールが難しくなります。
透析日はシャントの針跡からの細菌侵入を防ぐため、浴槽での入浴は避け、シャワー浴にとどめる。
- [解説]
- 透析日はシャントの針跡からの細菌侵入を防ぐため、温泉、プールなど不特定多数の人が利用する施設の利用は避けましょう。
シャント側の腕も健側の腕も日常生活に支障なく生活することが可能である。
- [解説]
- シャント側の腕には負担をかけてはいけません。腕を体の下にして寝ない、強くぶつけない、腕時計をしない、重いものを持たない、血圧測定や採血をしてはいけません。
糖尿病について
◼️糖尿病の三大合併症は、糖尿病性神経症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症です。
◼️糖尿病性腎症が進行すると、腎機能が低下して腎不全の状態になり、人工透析を必要となります。
◼️糖尿病性神経症が起こると、知覚障害が現われ、壊疽になっても痛みなど感じにくくなるため、十分な注意が必要です。皮膚の観察をこまめに行いましょう。
◼️基本的には自己注射もしくは病院より指導を受けた家族であれば注射は可能になっていますが、指導を受けていない家族や看護師資格を持たない第三者が注射を打つことは禁じられています。
問題1.糖尿病について正しいものはどれか。
- 主な合併症として、糖尿病性神経症、糖尿病性腎症、糖尿病性難聴がある。
- 糖尿病性腎症が進行すると、人工透析が必要となる場合がある。
- 下肢の皮膚が赤くなっていたが、誰にも報告しなかった。
- 糖尿病性神経症では、自律神経症状と末梢神経症状が現れます。末梢神経症状としては、下肢末端の知覚障害などが起こります。
主な合併症として、糖尿病性神経症、糖尿病性腎症、糖尿病性難聴がある。
- [解説]
- 糖尿病の三大合併症は、糖尿病性神経症、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症があります。
糖尿病性腎症が進行すると、人工透析が必要となる場合がある。
- [解説]
- 糖尿病性腎症が進行すると、腎機能が低下して腎不全の状態になり、人工透析を必要となります。
下肢の皮膚が赤くなっていたが、誰にも報告しなかった。
- [解説]
- 糖尿病性神経症が起こると、知覚障害が現われ、壊疽になっても痛みなど感じにくくなるため、十分な注意が必要です。
糖尿病性神経症では、自律神経症状と末梢神経症状が現れます。末梢神経症状としては、下肢末端の知覚障害などが起こります。
- [解説]
- 糖尿病性神経症では、自律神経症状と末梢神経症状が現れます。末梢神経症状としては、下肢末端の知覚障害などが起こります。
問題2.代表取締役社長65歳男性Aさん。糖尿病に対して糖尿病外来にて内服治療中だったが、血糖コントロール不良にてインスリン注射へ治療方針の変更か担当医師から説明があった。受診後に施設看護師よりインスリン自己注射の指導があり、翌日より1日1回朝にインスリン自己注射を行うことになった。
診察に同席した介護士の対応で適切なのはどれか。
- Aさんは代表取締役社長で多忙なため、同席した介護士が一人で施設看護師からのインスリン自己注射の指導を受け後日、Aさんへ指導し実施した。
- 診察時に介護士から担当医師へインスリン自己注射の注意点を質問した。
- AさんからAさんの奥さんへもインスリン自己注射の説明を依頼されたので、同席した介護士からAさんの奥さんへ指導した。
- Aさんからインスリン注射を打ってもらうよう依頼があったので、同席した介護士が行った。
Aさんは代表取締役社長で多忙なため、同席した介護士が一人で施設看護師からのインスリン自己注射の指導を受け後日、Aさんへ指導し実施した。
- [解説]
- 基本的には自己注射もしくは病院より指導を受けた家族であれば注射は可能になっていますが、指導を受けていない家族や看護師資格を持たない第三者が注射を打つことは禁じられています。
診察時に介護士から担当医師へインスリン自己注射の注意点を質問した。
- [解説]
- Aさんの不明点や不安に思っている事を推測しフォローする事でその場で問題解決ができ、情報を共有する事で、今後の健康管理やサービスに継続できます。
AさんからAさんの奥さんへもインスリン自己注射の説明を依頼されたので、同席した介護士からAさんの奥さんへ指導した。
- [解説]
- 病院から直接指導を受けた家族でなければ注射を打つことは禁じられているため、介護士や施設看護師から指導することはできません。
Aさんからインスリン注射を打ってもらうよう依頼があったので、同席した介護士が行った。
- [解説]
- インスリン注射は本人もしくは指導を受けた家族以外の第三者が注射を打つことは禁じられています。
脳梗塞について
◼️極度の物忘れなどがあるときは、脳梗塞を疑い、直ぐに受診します。
◼️「しびれる」「舌がもつれる」といった訴えや様子を見逃してはなりません。他にも片方の目が見えにくい、目の前が暗くなるなどの症状が現れます。
◼️一過性脳虚血性発作は、脳の血管が血栓などによって詰まった後、自然に血栓が溶けたり流れたりして、再び脳血流が再開した状態です。
◼️初めての一過性脳虚血発作後一か月以内が、最も脳梗塞に移行する危険性が高いといわれています。
◼️脳血管障害は再発を起こしやすく、再発を繰り返すたびに障害は重くなるため、普段から定期的な検査、危険因子に注意する必要があります。
◼️脳血管障害を発症した場合は、早期からリハビリテーションを始めることが大切です。安静状態を保つことで廃用症候群を起こす恐れがあります。
問題1.脳梗塞を発症した後の対応について適切なものはどれか。
- 再発の可能性が高いので、発症後1か月は絶対安静である。
- 安静状態を保つことで、拘縮や筋委縮を起こさない。
- 自分で体を動かせない場合は、リハビリテーションの適応にはならない。
- 再発防止のために血圧管理等を行う。
再発の可能性が高いので、発症後1か月は絶対安静である。
- [解説]
- 脳血管障害を発症した場合は、早期からリハビリテーションを始めることが大切です。
安静状態を保つことで、拘縮や筋委縮を起こさない。
- [解説]
- 安静状態を保つことで廃用症候群を起こす恐れがあります。
自分で体を動かせない場合は、リハビリテーションの適応にはならない。
- [解説]
- 自分で体を動かせない場合は、他動的訓練を行います。
再発防止のために血圧管理等を行う。
- [解説]
- 脳血管障害は再発を起こしやすく、再発を繰り返すたびに障害は重くなるため、普段から定期的な検査、危険因子に注意する必要があります。
問題2.脳梗塞の早期発見について適切ではないものはどれか。
- 物忘れが急激に進行したが、手足の動きに左右差がないため、そのまま様子をみた。
- 「しびれる」「舌がもつれる」といった訴えや様子を見逃してはならない。
- 脳梗塞の前兆として、一時的に脳梗塞に似た症状が起こることがあり、これを一過性脳虚血発作という。
- 初めての一過性脳虚血発作後一か月以内が、最も脳梗塞に移行する危険性が高い。
物忘れが急激に進行したが、手足の動きに左右差がないため、そのまま様子をみた。
- [解説]
- 極度の物忘れなどがあるときは、脳梗塞を疑い、直ぐに受診します。
「しびれる」「舌がもつれる」といった訴えや様子を見逃してはならない。
- [解説]
- 他にも片方の目が見えにくい、目の前が暗くなるなどの症状が現れます。
脳梗塞の前兆として、一時的に脳梗塞に似た症状が起こることがあり、これを一過性脳虚血発作という。
- [解説]
- 脳の血管が血栓などによって詰まった後、自然に血栓が溶けたり流れたりして、再び脳血流が再開した状態です。
初めての一過性脳虚血発作後一か月以内が、最も脳梗塞に移行する危険性が高い。
- [解説]
- 症状は数秒から時には数時間続くこともあり、その発作を繰り返すうちに脳梗塞を発症する恐れがあります。
認知症について
◼️認知症には、大きく3つの認知症の型があります。
①アルツハイマー型認知症は、脳全体が委縮し、その機能が損なわれることで発症します。
②レビー小体型認知症は、脳の神経細胞内にレビー小体という異常なたんぱく質が増加することにより、神経伝達が障害されることで発症します。
③前頭側頭型認知症は、神経細胞の障害が前頭葉から始まります。記憶障害よりも人格変化が特徴的です。
◼️認知症高齢者に情報を伝えるときは、単純な内容にして簡潔に伝えます。また、認知症高齢者の多くは感情が保たれているので、筋道立てて説明するよりも感情に働きかけるようにすると効果的です。 認知症高齢者が失敗行動をとっても自尊心を傷つけないようにするため、危険や感染を伴わないのであれば、「なるほどいい方法ですね」「それは難しいですね」と支持的に対応し、その後で「このようにしたらどうですか」と正しい方法を示すべきです。
◼️認知症である場合であっても本人の意思を必ず聴く必要があります。
◼️回想法とは主に高齢者を対象としこれまでの人生や思い出を受容的・共感的な態度で話を聞く事を基本的姿勢とする援助方法です。
◼️高齢者では、筋力、平衡感覚が低下し転倒・骨折を起こす可能性が高まっています。特に認知症高齢者ではこれらの要因に加え自分の心身の機能について正確な判断が出来ないため、さらに転倒や骨折が多くなります。
◼️認知症高齢者は言葉によるコミュニケーションが困難な場合がある為、表情や動作といった非言語コミュニケーションが有効です。
◼️せん妄は、意識の混濁、錯覚、幻覚、妄想、不穏、興奮などを伴う複雑な意識障害であり、特に夜間に起こることが多いせん妄を、夜間せん妄と呼びます。幻覚や妄想などは認知症に似た症状を示しますが、認知症との大きな違いは、急激な症状の変化が見られることです。
睡眠薬や向精神薬の過剰投与で、更にせん妄を助長させ悪化する場合があり、慎重を要します。
問題1.認知症の説明として、最も適切なものはどれか。
- アルツハイマー型認知症は、脳組織の一部が破壊されることで発症する。
- レビー小体型認知症は、脳全体が委縮してその機能が損なわれることで発症する。
- 脳血管性認知症は、くも膜下出血、脳梗塞などが要因で発症する。
- 認知症の症状は、主に物忘れである。
アルツハイマー型認知症は、脳組織の一部が破壊されることで発症する。
- [解説]
- アルツハイマー型認知症は、脳全体が委縮し、その機能が損なわれることで発症します。
レビー小体型認知症は、脳全体が委縮してその機能が損なわれることで発症する。
- [解説]
- レビー小体型認知症は、脳の神経細胞内にレビー小体という異常なたんぱく質が増加することにより、神経伝達が障害されることで発症します。
脳血管性認知症は、くも膜下出血、脳梗塞などが要因で発症する。
- [解説]
- アルツハイマー型と脳血管性型の混合型認知症を起こすことがあります。
認知症の症状は、主に物忘れである。
- [解説]
- 物忘れは、脳の老化によるものです。
問題2.自宅で75歳の認知症の義母を介護しているAさんが「義母が『財布がなくなった。あなたが盗んだ』というので困っています」と介護士に訴えた。Aさんへの指導内容で適切なのはどれか。
- 義母と一緒に財布を捜す。
- 興奮している間は義母のそばを離れる。
- 「私は盗んでいませんよ」と答える。
- Aさんが財布を見つけたら「ありましたよ」と義母に渡す。
義母と一緒に財布を捜す。
- [解説]
- 『物とられ妄想』に対しては、本人の不安を落ち着かせ自尊心を傷つけることのないように一緒に探す、などの対処方法を伝えておくことが必要です。
興奮している間は義母のそばを離れる。
- [解説]
- そばを離れても見つからない不安はおさまらないため、不安を受け止めることが必要です。
「私は盗んでいませんよ」と答える。
- [解説]
- 「私は盗んでいませんよ」と言うことは、本人の反発・抵抗を招き、人間関係を悪化させるので避けます。
Aさんが財布を見つけたら「ありましたよ」と義母に渡す。
- [解説]
- 先に見つけてしまうとやっぱり盗んだと思わせてしまう結果にもなりかねないために先に見つけてもAさんが見つけるまで待つ方がよいでしょう。
問題3.認知症の高齢者の介護の関して適切なものはどれか。
- コミュニケーションをとりやすくするため、時事的な話題に焦点を合わせて話をする。
- 話が通じない場合、一つずつ丁寧に筋道立てて説明する。
- 認知症高齢者が失敗行動をとった場合、失敗行動を忘れないうちに反省できるよう、即座に正しい方法を示すべきである。
- 食事を拒否する場合には、どんな理由があるのか原因を探るようにする。
コミュニケーションをとりやすくするため、時事的な話題に焦点を合わせて話をする。
- [解説]
- 認知症高齢者は昔の出来事のほうが比較的よく覚えているので思い出話を聴く事(回避法)が効果的です。昔の思い出話を話す中で自信を取り戻していきいきとしたり行動に結びつくこともあります。
話が通じない場合、一つずつ丁寧に筋道立てて説明する。
- [解説]
- 認知症高齢者に情報を伝えるときは、単純な内容にして簡潔に伝えます。また、認知症高齢者の多くは感情が保たれているので筋道立てて説明するよりも感情に働きかけるようにすると効果的です。
認知症高齢者が失敗行動をとった場合、失敗行動を忘れないうちに反省できるよう、即座に正しい方法を示すべきである。
- [解説]
- 事故が伴わないのであれば、「なるほどいい方法ですね」「それは難しいですね」と支持的な声掛けをし、その後で「このようにしたらどうですか」と正しい方法を示すべきです。
食事を拒否する場合には、どんな理由があるのか原因を探るようにする。
- [解説]
- 認知症高齢者が拒否的になっている時は介護者との意思の疎通に困惑している場合があるので、原因を探る必要があります。
問題4.うつ病とせん妄について正しいのはどれか。
- うつ病は初期症状が認知症に似ているが、絶えず自殺のリスクがあり注意が必要である。
- うつ病に伴って認められる仮性認知症の特徴は、本人の病識に乏しい事が多いことである。
- せん妄は、意識の混濁、錯覚、幻覚、妄想、不穏、興奮などを伴う複雑な意識障害であり、特に、夜間に起こることが多いせん妄を、夜間せん妄と呼ぶ。
- 夜間せん妄の対処法として、睡眠薬(睡眠導入剤)や向精神薬を安易に使われることが多い。
うつ病は初期症状が認知症に似ているが、絶えず自殺のリスクがあり注意が必要である。
- [解説]
- 絶えず自殺のリスクがあるわけではなく、うつ状態よりそう状態の時に自殺をリスクが高いです。
うつ病に伴って認められる仮性認知症の特徴は、本人の病識に乏しい事が多いことである。
- [解説]
- 病気ではないかと認識をもっており、症状が急速に進行し、朝方に症状が悪化、食欲不振などが特徴です。
せん妄は、意識の混濁、錯覚、幻覚、妄想、不穏、興奮などを伴う複雑な意識障害であり、特に、夜間に起こることが多いせん妄を、夜間せん妄と呼ぶ。
- [解説]
- 幻覚や妄想など認知症にした症状を示しますが、認知症との大きな違いは、急激な変化が見られ、1日の中でも症状が変動があります。
夜間せん妄の対処法として、睡眠薬(睡眠導入剤)や向精神薬を安易に使われることが多い。
- [解説]
- 睡眠薬や向精神薬の過剰投与で、更にせん妄を助長、悪化させる場合があり、慎重を要します。
問題5.認知症に関して適切でないものはどれか。
- 認知症がある場合でも治療や介護についての説明には本人の関与が必要である。
- 回想法は、高齢者の思い出話を積極的な意味を持つものとして捉えた援助手法である。
- 認知症高齢者では身体の老化に加え、自分の心身の機能について正確な判断が出来ないため転倒や骨折が多くなる。
- 認知症高齢者については、表情や動作といった非言語的メッセージではなく、言葉による表現に基づいて対応する。
認知症がある場合でも治療や介護についての説明には本人の関与が必要である。
- [解説]
- 利用者本位の視点が重要です。認知症である場合であっても本人の意思を必ず聴く必要があります。
回想法は、高齢者の思い出話を積極的な意味を持つものとして捉えた援助手法である。
- [解説]
- 回想法とは主に高齢者を対象としこれまでの人生や思い出を受容的・共感的な態度で話を聞く事を基本的姿勢とする援助方法です。
認知症高齢者では身体の老化に加え、自分の心身の機能について正確な判断が出来ないため転倒や骨折が多くなる。
- [解説]
- 高齢者では、筋力、平衡感覚が低下し転倒・骨折を起こす可能性が高まっています。特に認知症高齢者ではこれらの要因に加え自分の心身の機能について正確な判断が出来ないためにさらに転倒や骨折が多くなります。
認知症高齢者については、表情や動作といった非言語的メッセージではなく、言葉による表現に基づいて対応する。
- [解説]
- 認知症高齢者は言葉によるコミュニケーションが困難な場合があるため、表情や動作といった非言語コミュニケーションが有効です。
問題6.認知障害がある高齢者と共に外出をした。不適切な対応はどれか。
- 外出先で高齢者が支払ったものは店員からレシートを受け取り、高齢者の財布に保管した。
- タクシーから下車することが億劫と言われ、代わりにATM操作を行い、お金を引き出した。
- 高齢者の気分を損ねそうであったが、高齢者からのおこづかいをあげると言う申し出に対して、丁重に辞退した。
- 今は財布の中に現金がなく、タクシー代金が払えないと言われたため、外出する日程を変更した。
外出先で高齢者が支払ったものは店員からレシートを受け取り、高齢者の財布に保管した。
- [解説]
- 支払いをした記憶がなくなる場合があり、その証としてレシートや領収書は可能な限り保存しておきます。
タクシーから下車することが億劫と言われ、代わりにATM操作を行い、お金を引き出した。
- [解説]
- 預金通帳からお金を勝手に引き出されたなどという誤解をされぬよう、ATM操作は利用者と共に一緒に行い、明細書は保管しておきます。
高齢者の気分を損ねそうであったが、高齢者からのおこづかいをあげると言う申し出に対して、丁重に辞退した。
- [解説]
- 金銭授受はトラブルの元です。決して受け取ってはなりません。
今は財布の中に現金がなく、タクシー代金が払えないと言われたため、外出する日程を変更した。
- [解説]
- 金銭の貸し借りはトラブルの元です。外出前に一緒に現金が財布の中にあるか確認してでかけましょう。
高齢者の血圧について
◼️者の血圧は動揺性が著しいのが特徴です。内服の影響も考慮しながら、一日に複数回測定し、毎日計測することが望ましいです。
◼️脳血栓は安静時、血圧が低下しているときに生じやすいので、朝目覚めた時に発症に気づくことがあります。
◼️高血圧治療ガイドライン2017では、高齢者の降圧目標は65~74歳では140/90mmHg未満、75歳以上では150/90mmHg未満、忍容性があれば140/90mmHg未満とされています。
◼️起立性低血圧は廃用施症候群の一つであり、急に起床したときにめまいやふらつきを起こすものです。
問題1.血圧に関し、適切なものはどれか。
- 高齢者の高血圧症は、日内変動が少なく、安定していることが多い。
- 脳血栓は血圧が上昇した時に生じやすい。
- 高血圧は脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの原因となるため注意する。
- 高齢者が急に立ち上がった時に、ふらつきやめまいがみられる場合には、貧血を真っ先に疑う。
高齢者の高血圧症は、日内変動が少なく、安定していることが多い。
- [解説]
- 高齢者の血圧は動揺性が著しいのが特徴です。内服の影響も考慮しながら、一日に複数回測定し、毎日計測することが望ましいです。
脳血栓は血圧が上昇した時に生じやすい。
- [解説]
- 脳血栓は安静時、血圧が低下しているときに生じやすいので、朝目覚めた時に発症に気づくことがあります。
高血圧は脳梗塞や脳出血、心筋梗塞などの原因となるため注意する。
- [解説]
- 高血圧治療ガイドライン2017では、高齢者の降圧目標は、65~74歳では140/90mmHg未満、75歳以上では150/90mmHg未満、忍容性があれば140/90mmHg未満とされています。
高齢者が急に立ち上がった時に、ふらつきやめまいがみられる場合には、貧血を真っ先に疑う。
- [解説]
- 起立性低血圧も考えておきます。起立性低血圧は廃用施症候群の一つであり、急に起床したときにめまいやふらつきを起こすものです。
フィジカルアセスメント
◼️フィジカルアセスメントとは、直訳すると身体的な評価となります。
難しく特別なことと思いがちですが、実は「フィジカルアセスメント」と意識していないだけで、 実は介護現場では、日々行われていることなのです。
◼️チームでケアするためには、情報を共有しなければいけません。
利用者の状態を事実として正確に伝えるためには、観察力と聞く力が必要です。
いつから、どのような症状があるのか、どのような変化があったのか、ほかにも何があるのか、
利用者さんの身近にいる介護職だからこそ聞く能力が必要となってきます。
問題1.次のうち熱中症の初期症状でないものはどれか。
- めまい
- 立ちくらみ
- 生あくび
- 頭痛
めまい
- [解説]
- 初期症状なので、まず安全で涼しいところへ移動しましょう。
立ちくらみ
- [解説]
- 初期症状なので、横になって休息を取りましょう。
生あくび
- [解説]
- 初期症状なので、体を冷やし、水分補給をしましょう。
頭痛
- [解説]
- 中期症状なので、医療機関受診しましょう。
問題2.朝からいつもと違うAさんに、訪問した介護職のアセスメントで不適切なのはどれか。
- 体が左へ傾いて、ぼーっとしていたので、脳血管疾患を疑い、他に症状がないか観察した。
- 肩を叩くとかろうじて目を開けたので、意識レベルは低下なしと考えた。
- 体温は、37.5℃と微熱であったが、平熱が35.0℃台なので発熱があると考えた。
- 昨日あたりから、喉元でゴロゴロ言っていたので、呼吸の様子を観察した。
体が左へ傾いて、ぼーっとしていたので、脳血管疾患を疑い、他に症状がないか観察した。
- [解説]
- 意識レベルやどのような呼吸をしているのか観察しましょう。
肩を叩くとかろうじて目を開けたので、意識レベルは低下なしと考えた。
- [解説]
- 意識レベル低下の状態なので、医療職へ連絡しましょう。
体温は、37.5℃と微熱であったが、平熱が35.0℃台なので発熱があると考えた。
- [解説]
- 平熱を記録しておくことは重要です。
昨日あたりから、喉元でゴロゴロ言っていたので、呼吸の様子を観察した。
- [解説]
- 体温、呼吸、脈などバイタルサインを測定することが大切です。
問題3.表情や顔色の観察ポイントから考えられる症状で適切でないものはどれか。
- 人形のような無表情ー認知症状
- 顔全体がむくんでいるー甲状腺機能低下症
- 顔色が黄色いー肝臓病の疑い
- 顔色が悪く、冷や汗をかいているー低血糖
人形のような無表情ー認知症状
- [解説]
- パーキンソン病などでみられる症状です。必要時受診していただきます。
顔全体がむくんでいるー甲状腺機能低下症
- [解説]
- 甲状腺機能低下症などが考えられます。
顔色が黄色いー肝臓病の疑い
- [解説]
- 肝臓や胆のうなどの病気による黄疸が考えられます。
顔色が悪く、冷や汗をかいているー低血糖
- [解説]
- 低血糖やコールドショックが考えられます。医師や看護師に報告します。
問題4.体が動かしにくい症状から考えられる疾患の組み合わせで正しくないのはどれか。
- 右手や右足など片側が動かしにくいー筋ジストロフィー
- 力が入りにくいー神経疾患
- 指先がこわばるー関節リウマチ
- バランスがとれないー小脳梗塞
右手や右足など片側が動かしにくいー筋ジストロフィー
- [解説]
- どのように動かしにくいのか観察しましょう。
力が入りにくいー神経疾患
- [解説]
- 左右差がないのか観察しましょう。
指先がこわばるー関節リウマチ
- [解説]
- 持続性なのか単発性なのか観察しましょう。
バランスがとれないー小脳梗塞
- [解説]
- 一過性脳虚血性発作や、脳腫瘍の場合もあります。
問題5.頭痛には脳梗塞や脳出血など生命にかかわる疾患が潜んでいる。観察のポイントとして正しくないのはどれか。
- 突然の激しい頭痛の有無。
- 意識はしっかりしているかの確認。
- 皮下出血の有無。
- 顔面の左右差、握力の左右差はないか。
突然の激しい頭痛の有無。
- [解説]
- 症状があれば、直ちに医療機関を受診します。
意識はしっかりしているかの確認。
- [解説]
- 呼びかけに返答が無い、またはあいまいであれば、直ちに医療機関を受診します。
皮下出血の有無。
- [解説]
- 血管や血液の異常、内服薬の副作用を観察するときのポイントです。
顔面の左右差、握力の左右差はないか。
- [解説]
- 症状があれば、直ちに医療機関を受診します。
問題6.腹痛には心筋梗塞、大動脈瘤破裂、腸閉塞(イレウス)など生命にかかわる疾患が潜んでいる。観察のポイントとして正しくないのはどれか。
- 突然の激しい腹痛の有無。
- 味覚に変化はないか。
- 嘔気、吐き気の有無。
- 血圧低下、顔面蒼白、冷汗をかいていないかの有無。
突然の激しい腹痛の有無。
- [解説]
- 症状があれば、直ちに医療機関を受診します。
味覚に変化はないか。
- [解説]
- 観察ポイントではありません。
嘔気、吐き気の有無。
- [解説]
- 症状があれば、直ちに医療機関を受診します。
血圧低下、顔面蒼白、冷汗をかいていないかの有無。
- [解説]
- あわせて意識レベルも観察をし、症状がそろえば、直ちに医療機関を受診します。
問題7.胸痛には心筋梗塞や大動脈瘤破裂、気胸など生命にかかわる疾患が潜んでいる。観察のポイントとして正しくないのはどれか。
- 意識はしっかりしているかの確認。
- 冷汗をかいたり、顔面蒼白になっていないかの確認。
- 身体に発心があるかの有無。
- 身体に発心があるかの有無。
意識はしっかりしているかの確認。
- [解説]
- 呼びかけに返答が無い、またはあいまいであれば、直ちに医療機関を受診します。
冷汗をかいたり、顔面蒼白になっていないかの確認。
- [解説]
- あわせて意識レベルも観察をし、症状がそろえば、直ちに医療機関を受診します。
身体に発心があるかの有無。
- [解説]
- 観察ポイントではありません。
身体に発心があるかの有無。
- [解説]
- 症状があれば、直ちに医療機関を受診します。