高齢者の特徴
高齢者の栄養について
◼️栄養状態が気になるときは、上腕三頭筋部で測定を行います。
◼️血清アルブミン濃度の基準値は3.8g/dl以上ですが、3.5g/dl以下で低栄養を疑います。また、2.5g/dl以下になると浮腫がおこりやすくなります。
◼️納豆、クロレラ、青汁に含まれるビタミンKは、一部の抗凝固薬の効果を減弱されますので、服薬中は食事に気をつけましょう。
◼️ビタミンB2は、皮膚や粘膜を守る役割があるため、欠乏すると口角炎や脂漏性皮膚炎などを生じます。
◼️食欲不振は、消炎鎮痛剤等の薬剤が原因のこともありますので、食欲不振のときは内服も確認しましょう。
◼️経管栄養剤には、医薬品の扱いのものと食品の扱いとなるものがあります。医薬品の扱いのものは、医師の処方に基づき医療保険に請求できます。
◼️嚥下とは、食塊を口腔から飲み込んで、胃まで送り込む運動のことをいいます。そのため、舌と咽頭の複数の筋肉と神経の協調によって行われます。
◼️「日本人の食事摂取基準2015」では、70歳以上で身体活動レベルがⅡの女性の1日当たり推定エネルギー必要量は、1750kcalとされています。
問題1.低栄養について適切でないものはどれか、1つ選びなさい。
- 血清アルブミン値3.5g/dl以下では、低栄養を疑う。
- 低栄養時には、貧血が生じやすい。
- 低栄養は、免疫能低下の原因になる。
- 低栄養の判断には、腹部皮下脂肪厚が有効な指標である。
血清アルブミン値3.5g/dl以下では、低栄養を疑う。
- [解説]
- 血清アルブミン濃度の基準値は3.8g/dl以上ですが、3.5g/dl以下で低栄養を疑います。また、2.5g/dl以下になると浮腫がおこりやすくなります。
低栄養時には、貧血が生じやすい。
- [解説]
- 低栄養の疑いがある場合は、早めに医療機関で受診をすすめ、十分な食事がとれていない時は流動食などの捕食を検討しましょう。
低栄養は、免疫能低下の原因になる。
- [解説]
- 低栄養時には、免疫能力が低下するため、感染症が起こりやすくなります。
低栄養の判断には、腹部皮下脂肪厚が有効な指標である。
- [解説]
- 皮下脂肪の圧さを測定する場合は、腹部ではなく上腕三頭筋部で測定を行います。
問題2.高齢者の栄養・食生活について、適切でないものはどれか。
- 納豆、クロレラ、青汁に含まれるビタミンKは、一部の抗凝固薬の効果を減弱される。
- ビタミンB2の欠乏により、口角炎や脂漏性皮膚炎が生じることがある。
- 食欲不振は、消炎鎮痛剤等の薬剤が原因のこともある。
- 在宅での経管栄養剤購入については、食品の扱いとなるため、すべて自己負担となる。
納豆、クロレラ、青汁に含まれるビタミンKは、一部の抗凝固薬の効果を減弱される。
- [解説]
- ビタミンKは、正常な血液凝固に必要な栄養素でもありますが、抗凝固剤を用いる場合その働きを阻害してしまうことがあります。
ビタミンB2の欠乏により、口角炎や脂漏性皮膚炎が生じることがある。
- [解説]
- ビタミンB2は、皮膚や粘膜を守る役割があるため、欠乏すると口角炎や脂漏性皮膚炎などを生じます。
食欲不振は、消炎鎮痛剤等の薬剤が原因のこともある。
- [解説]
- 消炎鎮痛剤のほか、降圧剤、抗がん剤などの薬剤の副作用により、食欲不振が生じることもあります。
在宅での経管栄養剤購入については、食品の扱いとなるため、すべて自己負担となる。
- [解説]
- 経管栄養剤には、医薬品の扱いのものと食品の扱いとなるものがあります。医薬品の扱いのものは、医師の処方に基づき医療保険に請求できます。
問題3.嚥下とは、(A)と(B)の複数の筋肉と神経の協調によって行われる。(A)と(B)の組み合わせで正しいものを選べ。
- A:舌 B:咽頭
- 顔面 B:舌
- A:舌 B:食道
- A:咽頭 B:胸
A:舌 B:咽頭
- [解説]
顔面 B:舌
- [解説]
A:舌 B:食道
- [解説]
A:咽頭 B:胸
- [解説]
- 嚥下とは食塊を口腔から飲み込んで、胃まで送り込む運動のことを指します。そのため、舌と咽頭の複数の筋肉と神経の協調によって行われます。
問題4.70歳以上で身体活動レベルがⅡの女性の場合、1日当たりの推定エネルギー必要量として正しいものを選べ。
- 1500kcal
- 1650kcal
- 1750kcal
- 1900kcal
1500kcal
- [解説]
1650kcal
- [解説]
1750kcal
- [解説]
- 「日本人の食事摂取基準2015」では、70歳以上で身体活動レベルがⅡの女性の1日当たり推定エネルギー必要量は1750kcalとされています。
1900kcal
- [解説]
高齢者の特徴について
◼️加齢とともに骨格筋量の減少や萎縮が生じます。
◼️老人性難聴は高音域が聞き取りにくい症状があります。
◼️高齢者の蛋白質・エネルギー低栄養状態〈protein-energy malnutrition:PEM〉になると 体内の貯蔵栄養素を利用することで代謝を維持し、体力を保持しようとするため、体脂肪が利用されます。栄養指標は血清アルブミン3.5g/㎗以下です。
◼️心臓は加齢により肥大しますが、肝臓や腎臓などは萎縮します。
◼️胃粘膜の萎縮や胃底腺の減少によって、胃酸の分泌は低下します。
◼️白内障とは、代表的な水晶体の白濁によって、視野が白くにじむように見えます。加齢黄斑変性は、中心暗点(視野の中心部が見えなくなる)を引き起こします。また、網膜下で出血を起こすと突然失明することもあります。
◼️老人性腟炎は、閉経後急激にエストロゲンが減少するために起こります。黄色あるいは褐色、出血性の帯下がその症状です。
◼️胃食道逆流症は逆流性食道炎とも呼ばれ、活動性が低下した高齢者が食後臥位になると起こります。症状は胸やけやのどのつかえ、胸の痛み、胃もたれなどです。
◼️ロコモティブシンドロームのなかでも、とくに筋肉の減少を「サルコペニア」といいます。個人差はありますが、40歳前後から徐々に筋肉量の減少傾向が見られ、その傾向は加齢に伴って加速化していきます。とくに高齢者においてはその速度はますます高まり、
1年で5%以上の減少率となる例もあります。
またサルコペニアはギリシア語で骨格筋の減少を意味し、サルコ(筋肉)とペニア(減少)の造語です。
一方、加齢に伴い心身が虚弱化した状態ではあるが、適切な対応により健常化する可能性のある状態をフレイルといいます。
◼️高齢者のめまいはメニエール病などの内耳の障害による他、薬剤の副作用や起立性低血圧、脳腫瘍などによってもおこるとされています。
問題1.老年期の発達課題で正しいのはどれか。
- 経済的な自立をめざす。
- 社会的地位を固持する。
- 体力の低下に適応する。
- 地域活動の主たる責任者となる。
経済的な自立をめざす。
- [解説]
- 多くの企業が60歳定年制を採用していますが、それ以後も就業を希望している高齢者が多数です。しかし定年後の雇用情勢は厳しく、現実は公的年金を中心とした生活になっています。
社会的地位を固持する。
- [解説]
- 社会的地位に固辞せず、後進へのサポートとして経験を生かしていくとよいです。
体力の低下に適応する。
- [解説]
- 老年期は体力や健康の衰えに適応することが発達課題の1つです。
地域活動の主たる責任者となる。
- [解説]
- 地域活動においては個人の残存能力に応じた関わりが大切であり、主たる責任者になることが発達課題ではありません。
問題2.老人の特徴で正しいのはどれか。
- 老化は生理機能の可逆的な低下である。
- 脱水症の原因は尿濃縮力の上昇による。
- 体重の減少は骨・筋肉系の萎縮による。
- 老人性難聴は低音域が聞き取りにくい。
老化は生理機能の可逆的な低下である。
- [解説]
- 老化は生理的変化による不可逆的な低下を示すものです。
脱水症の原因は尿濃縮力の上昇による。
- [解説]
- 尿濃縮力の低下により脱水になります。
体重の減少は骨・筋肉系の萎縮による。
- [解説]
- 加齢とともに骨格筋量の減少や萎縮が生じます。
老人性難聴は低音域が聞き取りにくい。
- [解説]
- 老人性難聴は高音域が聞き取りにくいです。
問題3.高齢者の蛋白質・エネルギー低栄養状態〈protein-energy malnutrition:PEM〉について正しいのはどれか。
- 体脂肪の消耗はみられない。
- 要介護度が高いほどPEMの発症率は高い。
- PEMの発症率は心疾患によるものが最も高い。
- 栄養指標は血清アルブミン3.7g/㎗以下である。
体脂肪の消耗はみられない。
- [解説]
- PEMでは、体内の貯蔵栄養素を利用することで代謝を維持し、体力を保持しようとするため、体脂肪が利用されます。
要介護度が高いほどPEMの発症率は高い。
- [解説]
- 要介護度が高いほど、十分な栄養分を得ることが難しく低栄養になりやすいため、PEMの発症率は高くなります。
PEMの発症率は心疾患によるものが最も高い。
- [解説]
- PEMの発症率は、加齢によるものが最も高いです。
栄養指標は血清アルブミン3.7g/㎗以下である。
- [解説]
- 栄養指標は血清アルブミン3.5g/㎗以下です。
問題4.高齢者の身体的変化で正しいのはどれか。
- 肝臓の肥大
- 皮下脂肪の増加
- 収縮期血圧の上昇
- 胃の塩酸分泌の増加
肝臓の肥大
- [解説]
- 心臓は加齢により肥大するが、肝臓や腎臓などは萎縮します。
皮下脂肪の増加
- [解説]
- 皮下脂肪や筋肉は減少します。
収縮期血圧の上昇
- [解説]
- 動脈硬化により収縮期血圧は上昇しやすいです。
胃の塩酸分泌の増加
- [解説]
- 胃粘膜の萎縮や胃底腺の減少によって、胃酸の分泌は低下します。
問題5.高齢者に多くみられる疾患とその症状および所見の組合せで正しいのはどれか。
- 頸椎症 ─ 頸部腫脹
- 白内障 ─ 視野欠損
- 萎縮性腟炎 ─ 子宮脱出
- 胃食道逆流症 ─ 胸やけ
頸椎症 ─ 頸部腫脹
- [解説]
- 頸椎症は加齢や外傷が原因で、頸部の症状から始まり、徐々に上肢や下肢に疲れや痛みが現れます。
白内障 ─ 視野欠損
- [解説]
- 代表的な水晶体の白濁によって、視野が白くにじむように見えたりするものを白内障といいます。視野欠損は網膜剥離の症状です。
萎縮性腟炎 ─ 子宮脱出
- [解説]
- 萎縮性腟炎は老人性腟炎ともよばれ、閉経後急激にエストロゲンが減少するために起こります。黄色あるいは褐色、出血性の帯下がその症状です。
胃食道逆流症 ─ 胸やけ
- [解説]
- 胃食道逆流症は逆流性食道炎とも呼ばれる。活動性が低下した高齢者が食後臥位になると起こります。症状は胸やけやのどのつかえ、胸の痛み、胃もたれなどであります。
問題6.カロリーやたんぱく質の不足が要因でかかりやすくなる疾患として、最も適切なものを選びなさい。
- 高血圧症
- 動脈硬化
- サイコべニア
- 骨粗しょう症
高血圧症
- [解説]
- カロリーやたんぱく質の不足が原因では、高血圧症とはなりません。
動脈硬化
- [解説]
- カロリーやたんぱく質の不足が原因で、動脈硬化は起こりません。
サイコべニア
- [解説]
- ロコモティブシンドロームのなかでも、とくに筋肉の減少を「サルコペニア」といいます。個人差はありますが、40歳前後から徐々に筋肉量の減少傾向が見られ、その傾向は加齢に伴って加速化していきます。
骨粗しょう症
- [解説]
- 偏った食事やエストロゲンの低下などが原因で起こります。
問題7.適切でないものはどれか。
- 脱水は、食事摂取不良、下痢、発熱、高血糖で起こりやすい。
- 高齢者では、体内の水分量が少なく、口渇を感じにくい。
- 熱中症では、循環器、筋肉、脳神経、腎臓に障害が起こりやすい。
- 浮腫を認める場合には、脱水はない。
脱水は、食事摂取不良、下痢、発熱、高血糖で起こりやすい。
- [解説]
- 脱水の原因を探るには全身に目を向ける必要があります。
高齢者では、体内の水分量が少なく、口渇を感じにくい。
- [解説]
- 体内の水分量が少ないため、容易に脱水が発症しやすいです。
熱中症では、循環器、筋肉、脳神経、腎臓に障害が起こりやすい。
- [解説]
- 熱中症は、筋肉のけいれん、めまい、嘔気、嘔吐、体温の上昇のほか、脳神経障害などがおこり、生命にかかわります。
浮腫を認める場合には、脱水はない。
- [解説]
- 浮腫は、水・電解質のバランスが崩れることでも生じます。
問題8.高齢者に多い症状・疾患について正しいものはどれか。
- 服用する薬剤数が多くなっても、副作用のリスクは変わらない。
- 心房細動では、心内で形成された血栓により脳梗塞をきたすことはない。
- 高齢者のめまいは内耳の障害の他、血圧のコントロール不良、脳腫瘍などが原因となることはない。
- 加齢黄斑変性では、進行して視力が失われることもある。
服用する薬剤数が多くなっても、副作用のリスクは変わらない。
- [解説]
- 高齢者は多くの病気を持っているため多剤併用することが多く、その影響で副作用が出やすいとされています。
心房細動では、心内で形成された血栓により脳梗塞をきたすことはない。
- [解説]
- 心房細動とは不整脈の一種でありそれによって心臓内の血栓がはがれることがあります。その血栓が血管を通じて脳に到達すると血管を詰まらせてしまいます。すなわち脳梗塞を発症することが多いです。
高齢者のめまいは内耳の障害の他、血圧のコントロール不良、脳腫瘍などが原因となることはない。
- [解説]
- 高齢者のめまいはメニエール病などの内耳の障害による他、薬剤の副作用や起立性低血圧、脳腫瘍などによってもおこるとされています。
加齢黄斑変性では、進行して視力が失われることもある。
- [解説]
- 加齢黄斑変性は、中心暗点(視野の中心部が見えなくなる)を引き起こします。また、網膜下で出血を起こすと突然失明することもあります。
問題9.高齢者の脱水において、不適切なものはどれか。
- 脳血管性認知症の場合は脱水になりにくい。
- アルツハイマー型認知症の場合は脱水になりにくい。
- 脱水症状が見られたため、日ごろ内服している処方薬が原因の一つと疑った。
- 膝関節に痛みを訴え、歩行制限が出ている利用者に対し、トイレ移動が減るように水分摂取量を少なめに調整した。
脳血管性認知症の場合は脱水になりにくい。
- [解説]
- 脳血管性認知症の場合は嚥下機能が低下し、水分摂取の折にむせやすいため、十分な水分量を摂取することができません。よって、脱水を起こしやすい傾向にあります。
アルツハイマー型認知症の場合は脱水になりにくい。
- [解説]
- 食事や水分を摂取することを認識することが難しくなるため、水分摂取も他者に依存しないと維持できなくなります。
脱水症状が見られたため、日ごろ内服している処方薬が原因の一つと疑った。
- [解説]
- 心不全治療のために利尿剤を内服している高齢者が多いが、医師以外のものが勝手に判断をし中止をすることをしてはなりません。
膝関節に痛みを訴え、歩行制限が出ている利用者に対し、トイレ移動が減るように水分摂取量を少なめに調整した。
- [解説]
- 脱水予防のために水分摂取量を調整せず、ポータブルトイレの設置や、手すりの設置などを検討する必要があります。
問題10.高齢者と接するときに注意すべきことにおいて、適切な行為はどれか。
- より親近感を持ってもらうために、共通の知人の話題を出して会話を盛り上げた。
- スマートフォンを利用してサービスの記録をする場合、「会社に状況報告をするため、スマートフォンを操作しています」と事前に伝えた。
- 高齢者と目線を合わせて会話をするため、即座に椅子に座った。
- 高齢者の体を労わるために、先回りをして介助することに心がけた。
より親近感を持ってもらうために、共通の知人の話題を出して会話を盛り上げた。
- [解説]
- 介護サービスの基礎契約事項には個人情報保護について記されています。こちらから知人の個人情報を持ち出すことは印象を悪くされます。
スマートフォンを利用してサービスの記録をする場合、「会社に状況報告をするため、スマートフォンを操作しています」と事前に伝えた。
- [解説]
- スマートフォンなどを仕事用として操作していると想像つかない人も多くいます。誤解されないように仕事上でスマートフォン操作をしていると事前に説明する必要があります。
高齢者と目線を合わせて会話をするため、即座に椅子に座った。
- [解説]
- かつての教育として、相手が着座しても良いと言われない限りは、立位するものだと思っている高齢者も多くいます。座っても良いですか?と、事前に確認をして座りましょう。
高齢者の体を労わるために、先回りをして介助することに心がけた。
- [解説]
- 高齢者の中には「過剰な気遣い=老人扱い」をされたと思う人がいます。さりげなく介助をし、残存機能を活用した生活を送ってもらうように対応しましょう。